「動画を作って」と言われた時、あなたはどう感じましたか?
「動画?うちでやるの?」「どこに頼めばいいの?」「何から始めれば…?」
そんなふうに戸惑った方、多いのではないでしょうか。
かつて私も社内の広報担当者として企業広報に携わってきた中で、そんな無茶は振り幾度となく聞いてきた記憶があります…。それでも、「とりあえず何とかするしかない」と試行錯誤を重ね、少しずつ乗り越えてきました。

この記事では、そんな私の経験をもとに、
「動画を初めて発注する広報担当さん」のための基本の流れと心構えを、実体験ベースでできるだけわかりやすくまとめてみました。広報担当者さんの不安やプレッシャーを少しでも軽減できればと思います。

映像制作会社を経て、大手企業でインハウスデザイナーを務める。動画を活用した広報施策を多数企画・推進。YouTubeチャンネルの収益化や、社内動画チーム立ち上げを経験。現在は動画制作で独立し企業の広報支援を行っている。
STEP-0|まず社内で決めるべきこと
動画制作は、いきなり外注に出す前に「社内での目的整理」が何より大切です。
ざっくりでもいいので、まずは以下のことを考えてみてください。
- 誰に届けたい?(新卒学生/既存顧客/取引先 etc.)
- 何を伝えたい?(事業の強み/人の魅力/安心感 etc.)
- どこで使う?(Web/展示会/SNS/社内共有 etc.)
- いつまでに必要?(イベント日程や年度内など)
この4つが決まると、制作会社にも話が通じやすくなります。
目的が定まらずに「動画を制作すること自体が目的」になっている企業を多く見ます。
私はこれまで、大手企業の広報を経験してきた中で、社内外問わずたくさんの動画制作に携わってきましたが、打ち合わせの冒頭で、よくこんな会話があります。

「とりあえず、会社紹介動画をつくりたくて」
「最近、他社も動画やってるので…うちもそろそろ」
広報として「動画を活用しよう」という意欲はとても前向きなものです。
けれども、「動画をつくること自体が目的になってしまっている」ケースも実はとても多いのが現状です。
大事なのは「なぜ動画が必要なのか?」を言葉にすること
私が制作のご相談をいただいた時、必ずお聞きするのはこの3つです。
- 誰に届けたい動画ですか?(ターゲットの明確化)
- その人に、どう感じてほしいですか?(感情のゴール設定)
- その後、どんな行動を期待しますか?(問い合わせ/応募/社内共有 など)
この3つが言語化できていないと、動画はどこか“ふんわりした印象の映像”になりがちです。
逆に、目的がはっきりしている動画は、短くても、地味でも、きちんと伝わります。
📌 ご相談受付中
「なんとなく動画を作ることになってしまった…」という広報ご担当者様へ。
企画段階のご相談からでもお受けしています。
「動画の目的整理」から、一緒に進めましょう。
STEP-1|動画制作会社は“相性”で選ぼう。まず社内で決めるべきこと
動画のクオリティも大事ですが、実は「相談のしやすさ」「提案力」の方が重要です。
私の広報時代、制作パートナーを選ぶときは、こんな視点を持っていました。
- 自社のトーンや文化を理解してくれそうか?
- 専門用語を使わず、わかりやすく話してくれるか?
- 無理に提案を押し付けてこないか?
- スケジュールや修正に柔軟性があるか?
「外注=お願いして終わり」ではなく、“一緒に作っていく関係”が理想です。
また経験の浅いディレクターに当たってしまうと、撮影時に出演者や現場の緊張がほぐせず「出演者の人柄」それに付随する「会社の良さ」を引き出してくれない場合があります。
それができる制作会社かどうか見極めるのは難しいですが…、
傾向として「キレイな映像だけを重視している制作会社」にハズレが多い気がします。
キレイなだけの動画は、“いいね”で終わってしまいます。
行動を促す動画、記憶に残る動画には、必ず“設計された見せ方”があります。
そしてそれを効果的に引き出す“現場演出(どう魅せるか)“があってこそ効果的な動画が生まれます。

制作会社を選ぶときは、
「どんな画が撮れるか」よりも、
「どう伝えるか」「どう魅せるか」を一緒に考えてくれるか?を重視してください。
📌 企画演出に特化した動画制作
企業の想いや人の魅力をどう引き出すか。
どう設計すれば、見た人が“行動”してくれるか。
企画と演出に強みを持つ私たちが、目的に合った映像を企画からご一緒します。
STEP-2|企画段階で“広報の目線”が活きる
構成・絵コンテの段階では、
「社内が言いたいこと」と「外に伝えるべきこと」のバランスをとるのが広報の腕の見せどころです。なんでもかんでも動画に詰め込みすぎるのは情報過多となります。
私も何度も経験しました。
社長や部門長の「あれも入れて」「これも入れて」が続いて、動画が“ただの説明資料”になる…。
そんな時にこそ、視聴者目線を守れるのは、広報の存在です。
必要な情報だけに絞って進めることで、飛躍的に視聴者へ伝わる動画となります。
▶ 社内調整(出演者、ロケ場所/スケジュール確保、服装、映り込み)
意外と重要なのが出演者の選定です。
「この会社は雰囲気が良さそう」であったり「この人は熱い人だな」など、イメージを左右する大きな要因の一つになります。

たとえば同じ内容を話していても、
・表情が柔らかい人
・自然な語り口の人(自分の言葉で発言)
・いきいきと働いている人
が出ると、視聴者の受け取り方はまったく変わります。好印象に加え、会社の雰囲気が見え隠れすることでよりリアルな情報に。

逆に、
・やらされ感が出てしまっている
・緊張で無表情
・敬語ばかりで固すぎる
という雰囲気だと、どんなに映像がきれいでも「この会社、ちょっと堅いな…」という意図せず悪い方向の印象を持たれてしまうことも…。
動画は「映像」+「人」で伝わります。
つまり出演者は、「この会社の雰囲気」や「価値観」を視覚的・感情的に届けるメッセンジャー。
採用動画なら「こんな人たちと働けるならいいかも」。
企業紹介動画なら「誠実そうな人たちがつくってる会社だな」といった、
“感覚的な好印象”がすべての入り口になります。
出演者を選定する際は、出演の可否だけでなく「この人なら」良いイメージを届けれられそう」といった視点でもしっかり選定を行いましょう。
合わせてよりよく見える「ロケ場所」や、通常業務に支障が出ないよう余裕を持った「スケジュール確保」を行います。
▶ 出演者の服装
服装アドバイス(事前連絡がおすすめ)
・チェックなどの柄物、ロゴ入りは避ける
細かい柄物の服装は映像のちらつきが発生する場合がありますので、シンプルな服装をお勧めします。
・白すぎ/黒すぎの服は映像で、飛びやすい/潰れやすい
撮影する際、どうしても調整が難しい場合があります。また背景と同化しないようにご注意ください。
・カジュアルすぎず、“ちょっと改まった”くらいがちょうどいい
また同時に着用ルールなどを再周知しましょう。
普段曖昧になっている部分こそ注意が必要です。映像はすべてがそのままリアルに映り込みます。撮影してからではどうすることもできませんので、この撮影前を機に再確認をお勧めします。
▶ 各種映り込み

・社屋や現場の整理整頓
社内に長年いると、どうしても一般的な常識から徐々にズレていってしまうことがあります。
特に本社(本部)より離れている営業所(現場)は、目が行き届かないことが多く、業務最優先で「使いやすさを重視する」あまり、整理整頓が二の次になることが多くなります。
ですが、動画を見る大半は一般人ですので「汚い」「乱雑」など、違ったイメージを届けてしまう場合があります。そうならないために、今一度「一般の視点」から社屋や現場の確認を行いましょう。
「会社がどう見られるか」広報担当として意識しておくべき重要な部分となります。
・企業ロゴNGに注意
営業所や現場、身の回りには多数の他会企業の商品であふれています。大抵の場合は問題ありませんが、意図しない映り込みによるトラブルが全くないわけではありません。撮影前に極力排除を心がけましょう。
STEP-3|撮影現場での広報の立ち位置
撮影当日、現場に立ち会った時に意識していたのは、
- 出演者の緊張を和らげる声かけ(同じ社員だからできる近しい声掛け)
- 撮影中に見える「表情・雰囲気」のチェック
- 撮り逃しを防ぐためのディレクターとの連携
広報は“裏方”ですが、誰よりも“伝わる映像”を見守るポジションにいます。
基本的に制作会社が現場演出・コントロールを行いますので任せておけばいいですが、撮影の進行を妨げない程度に積極的に声掛けし撮影に関わるようにしましょう。普段通りのその人の良さを引き出せるよう、出演者をリラックスさせることがとても重要です。
私も幾度も撮影現場を見てきましが、よく笑いが生まれる「雰囲気の良い撮影現場」は必ずといっていいほど「良い動画」が生まれます。この撮影現場全員が一丸となり動画を作り上げることで、最終的な動画の効果にも現れると思っています。
STEP-4|動画は「作って終わり」ではなく、「どう届けるか」が本番
動画チームを立ち上げた当時、私は動画を単発ではなく「広報施策の核」として活用することにこだわりました。
例えば、
- YouTubeチャンネルでシリーズ展開(再生回数→採用強化へ)
- 社内報などで「動画で伝える文化」をつくる
- 営業・IR・採用など、複数部門で使える設計にする

こうした設計があると、動画が“資産”になりやすくなります。
発注者としても、制作側と「使い回しやすさ」「流用性」について話しておくと良いですよ。
ただ欲張りは禁物です。あくまでも当初の動画の目的からずれないように注意しましょう。
最後に|動画を「作ること」以上に、「伝えること」に向き合ってほしい
私は今、動画制作を生業にしていますが、
原点はずっと「広報の立場で、伝わる動画を考えていた」あの頃の経験にあります。
動画は、言葉では伝えきれない感情や空気感を届けられる手段です。
でも、それを最大限に活かすためには、 広報のあなたの「目線」と「設計」が必要不可欠です。

独学で、手探りで、ここまでやってきたあなたへ。
その経験は、何よりの強みです。
「正解がない」世界だからこそ、プロの力を借りながら
“あなたらしい伝え方”をつくっていってください。
🎁 無料特典:ダウンロード
「動画発注前チェックリスト(PDF)」
目的・ターゲット・納期など、相談前にまとめておけるシートです。
社内共有にもお使いください。







